自分の遺伝子情報を
アプリに登録すると、
自分の遺伝子と相性の良い
相手が選ばれる
マッチングアプリのアイデアは、
面白いと思いました。
もしこのアプリが
リリースされたら、
自分と相性が100%の人に
会ってみたいです!
オルタネート PV
オルタネート 登場人物
新見蓉(にいみいるる)……円明学園高校3年生。
料理人の父を持ち、調理部の部長を務める。
・水島ダイキ(みずしまだいき)……円明学園高校3年生。園芸部の部長で、蓉の親友。
・多賀澪(たがみお)……蓉の1学年上の先輩で、前年度の調理部部長。
・山桐えみく(やまぎりえみく)……円明学園高校1年生。澪に憧れて調理部に入部する。
・三浦英司(みうらえいじ)……永生第1高校3年生。調理部のエースで著名料理研究家の母を持つ。
伴凪津(ばんなつ)……円明学園高校1年生。オルタネートを信奉する。
・笹川先生(ささがわせんせい)……凪津のクラスの担任教師。調理部と園芸部の顧問を兼務する。
・桂田武生(かつらだむう)……地元・埼玉の学校に通う、高校1年生。
楤丘尚志(たらおかなおし)……大阪の高校を中退し、単身上京する。
・安辺豊(あべゆたか)……円明学園高校2年生。尚志のかつてのバンド仲間。
・冴山深羽(さえやまみう)……円明学園高校1年生。パイプオルガン奏者。
・憲一くん(けんいちくん)……尚志の元バイト仲間。楽天家で放浪癖がある。
オルタネート あらすじ
高校生限定のマッチングアプリ
「オルタネート」が必須となった現代。
円明学園高校の高校生たちを中心に、
物語が進行していきます。
3人のメインキャラクターの視点で書かれています。
・新見蓉
「オルタネート」を使用することに抵抗がある。
去年、料理コンテスト「ワンポーション」で
自分の作った料理が、
審査員から「ガイドブック通りの旅行」
と言われるトラウマを抱えながらも、
今年は「ワンポーション」での
優勝を目指している。
・伴凪津
「オルタネート」を愛用している。
父親から離れ、母子家庭で育てられた彼女は、
「オルタネート」に絶対真実の愛を求めている。
遺伝子サービスの新機能が追加されると、
遺伝子レベルで相性のいい「運命の相手」を
見つけようとする。
・楤丘尚志
高校を中退したため、「オルタネート」を使用することができない。
かつてのバンド仲間に会うために、
大阪から東京に遊びに来る。
自分の居場所を探している内に、
東京で音楽家だけしか入居できない、
シェアハウスに住むことになる。
交わることのないはずの3人の物語は、
ラストに訪れる”1日“の中で交わり関わり合う。
オルタネート 見どころ
物語の内容面を強化する要素として、
料理、海外の詩の引用や音楽など、
多岐にわたる分野からの専門知識が惜しみなく
散りばめられていました。
「やさしいって自分のことを思ったら、
もうやさしくないよ。やさしくないことに気づいてから、
やさしくなれるの。
無知の知、みたいなね」
ちちみこみたまの
おおみかみに
ときわにたえせず
みさかえあれ みさかえあれ
アーメン
料理バトルが面白い!
本書では去年の料理コンテスト
「ワンポーション」で、
白い球状のキノコである
「ヤマブシタケ」が登場しました。
審査員を納得させるために、
各高校が行った調理法は、
独特なものでした。
・ヤマブシタケをバンズに見立てたハンバーガー
・ヤマブシタケと魚介を具にした小籠包
・魚介をメインに、ヤマブシタケをソースにする
円明学園高校は「魚介をメインに、
ヤマブシタケをソースにする」
手法を採ったのですが、
審査員の益御沢タケルから、
「ガイドブック通りの旅行みたいだ」
と批判されます。
その反省を受けて、新見蓉は
今年の「ワンポーション」で
卵を殻ごと墨で焼く、
捨てるはずの内臓・肉や野菜の切れ端を
使ったスープを作りました。
紹介できなかった料理のどれもが、
評価が厳しい審査員を納得させるために、
奇想天外な調理法で作られていました。
詳細に調理の過程を描写してくれたおかげで、
料理が得意ではない私も楽しんで
読むことができました。
恋愛シーンが熱い!
円明学園高校3年の新見蓉と、
永生第1高校3年の三浦栄司は
「ワンポーション」に出場するため、
お互いに思いを寄せてはいますが、
ライバルでもありました。
新見蓉は三浦栄司に
”週末に大切な人と食べるためのレモンケーキ”
ウィークエンドシトロンを作り、
自分の思いをほのめかします。
栄司は蓉の気持ちに気づき、自分から告白をして
その日から付き合うことになります。
その後、2人は別れて、
ライバルとして「ワンポーション」で
戦うことになります。
蓉は料理の最中も、
栄司のことを目で追ってしまい、
大きなミスをしてしまいます。
栄司が決勝で作った料理は、
ウィークエンドシトロンでした。
栄司は別れても蓉のことが好きだけれども、
今はライバル同士なので直接言えず、
その気持ちを料理に込めたのだと解釈しました。
最後に2人は本心を打ち明け、
両想いになりました。
ハッピーエンドですね♪
オルタネート まとめ
残念だった点は、
1つの章が終わったあと、
次の章で他のメインキャラクターの話になるので、
登場人物が混乱してしまったことである。
「オルタネート(交流する)」と
本の題名にあるとおり、
最後の1日で3人のメインキャラクターの
ストーリーが繋がり1つに纏まることを、
書きたかったのだと思いますが、
纏まりが悪かったように感じられました。
無理をして、ぶつ切りの3つの話を1つの話に纏める
ことをしたからだと思います。
加藤シゲアキさんの著作を初めて読んだが、
文章がどことなく少し背伸びをしている
ように感じられました。
3人のメインキャラクターの名前に
一般の人が読めない漢字を使用したこと、
料理、海外の詩の引用や音楽など
多岐にわたる分野からの専門知識が引用されて
いた点から、こう推察しました。
多岐にわたる分野からの専門知識が引用されて
いたことで、興味をそそられた読者も多かった
と思います。私もその1人です。
ただ、専門知識が多く盛り込まれた分、
登場人物の個性を示すエピソードの部分を
充分に書くことができて
いなかったように感じました。
内容はとても面白かったので、
まだ読んでいない人には読むようにお勧めしたいです!
したっけね~☆彡