すべての悩みは「対人関係の悩みである」
アドラー
アドラーとはどういう人か?
◎オーストリア出身の心理学者・精神科医
◎フロイト、ロングと並び
「心理学の三大巨頭」と称される。
◎彼のシンプルにして深淵な思想は
「勇気の心理学」と呼ばれている。
デール・カーネギーなど自己啓発の
メンターたちに多大な影響を
与えている。
◎人の核となる部分の性格は
変えられないと
考えたのがフロイト。
人の核となる部分の性格を
変えることができる
と考えるのがアドラー。
◎身長が150cmしかなく、
大の運動音痴であったことなど
コンプレックスが沢山あった。
彼の心理学のテーマは
「劣等感」を題材としている。
物事はその人の『主観』によって決まる。
ご存じかもしれませんが、
井戸水の温度は年間を通じて
ほぼ18度で一定しています。
これは誰が測定しても同じ、
客観の数字です。しかし、夏に飲む井戸水は
冷たく感じるし、冬に飲むと温かく感じます。
温度計では常に18度を保っているのに、
夏と冬では感じ方が違うわけです。(p.5-6)
水が冷たく感じるか、
温かく感じるかはその人の
『主観』によります。
その『主観』にアドラーは着目し、
私たちが問題をどう捉えるかによって、
幸福になれるのかが決まると考えています。
どうすれば幸福な人生を歩めるのかを
これから一緒に考えていきましょう😊
トラウマなどない
トラウマ[Trauma ドイツ語]
Weblio辞書
【意味】強いショックによって受ける、
後々まで消えない心の傷
皆さんはどんなトラウマがありますか?
★男性から暴力を振るわれ、
男性恐怖症になっている。
★プールで溺れてから水が怖い
★子供の頃犬に吠えられてから、
犬が怖い。
こんなトラウマがあったとします。
しかし、アドラーは
トラウマなどないと断言します。
男性から暴力を振るわれ、
男性恐怖症になっている
女性を例に挙げて説明します。
男性から暴力を振るわれた(原因)。
だから、男性が怖い(結果)。
これをアドラーは『原因論』と呼び、
否定しました。
アドラーは、
「男性と関わりたくない」という
目的を達成するために、
暴力を振るわれたことを
持ち出していると考えます。
これを『目的論』と呼びます。
納得できない人のために
例を挙げて説明します。
皆さんは風邪で高熱が出たら
どうしますか?
医者に診てもらいに行きますよね。
観てもらった医者に
「あなたが風邪を引いたのは、
昨日、アイスバケツチャレンジを
したからですね」と言われて満足して
家に帰れますか?
注射をして熱を下げる、
解熱の薬を処方してもらうなどの
専門的処置をとって、
治療してもらいたいはずです。
『原因論』の立場の人(カウンセラー、精神科医)は、
「あなたは、男性に暴力を
振るわれたから、
男性が怖いのですね。
大変な思いをしましたね。」と
慰めてくれるだけで、
根本的な問題(男性が怖いこと)の
解決はしてくれません。
だから、アドラーは
『目的論』の立場に立ち、
男性が怖いと思うことをやめれば、
男性恐怖症が治ると考えます。
変わらないのは変わりたくないから
冒頭で、
人の核となる部分の性格は
変えられないと
考えたのがフロイト。
人の核となる部分の性格を
変えることができる
と考えるのがアドラー。
であると説明しました。
アドラーは続けて、
「人の性格や気質(ライフスタイル)」
を変えようとしているのに、
ライフスタイルが変わらない人は、
本気で変わろうとは思っていない
からだと説明しています。
理由は変わらない方が楽だからです
皆さんはどんな性格でしょうか?
合理主義。皮肉屋。頑固。
マイペース。完璧主義。几帳面。
ナルシスト。寂しがり屋。潔癖症。
など色んな性格の人がいると思います。
皮肉屋の人を例に挙げます。
自分が他人の悪態をつく癖を直したいと
思っている人(A君とします)が、
なかなか自身の皮肉癖が治らないのは、
他人の批判をすれば、
自分の欠点に目がいかなくて済むからです。
皆さんの周りで皮肉を
言う人を想像してみてください
自分に自信があるように
振る舞っている人はいますか?
人の欠点を批判する人は、
自分に自信がないからするのです。
そう考えると皮肉屋の人が、
自分の皮肉を治したいと思っているときに、
やらなければならないことは
自分に自信をつけることだとわかります。
なぜ自分のことが嫌いなのか?
あなたは自分のことが好きですか?
「好きです」と答えた人は
そっとページを閉じてください。
今日は自分を好きになれない人が、
どうしたら自分を好きになれるのかを
皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
なぜ自分の短所にばかり
目がいってしまうのか。
アドラーは、「自分を好きにならないで
おこうと決心しているから」だと断言しました。
「そんな風に決心したいと
思ってはいない!」
そう思った人もいると思います。
私も始めはそう思いました。
彼の考え方に賛同できない人のために、
赤面症の人を例に出し説明します。
さて、彼女の悩みは赤面症でした。
「もしもその赤面症が治ったら、
あなたはなにをしたいですか?」。
すると彼女は、
お付き合いしたい男性がいる、
と教えてくれました。
密かに思いを寄せつつも、
まだ気持ちを打ち明けられない男性がいる。
赤面症が治った暁には、その彼に
告白してお付き合いをしたいのだ、
と。(p.64-65)
アドラーは彼女に赤面症が治らないのは、
あなたが「赤面という症状を
必要としている」
からだと伝えます。
彼女は赤面症をもっている限り、
「彼と付き合うことができないのは、
赤面症があるからだ」と言い訳を
することが出来ます。
この気持ちはすごく良くわかります。
◎僕がもっと身長が高かったら、
彼女と付き合えるのに。
◎僕にもっとお金があれば、
彼女と付き合えるのに。
◎僕がもっと運動ができて、
頭が良かったら彼女と
付き合えるのに。
こう思ってた時期が
僕にもありました。
過去思っていた風に言っていますが、
現在もそう思っているかも
しれません笑
★身長が高くなくても、
それ以外で好きに
なってくれるところがある
かもしれません。
★お金がなくても、
頑張っている姿を見て、
好きになってくれるかもしれません。
★運動、勉強ができなくても、
性格や趣味が合い
付き合えるかもしれません。
私にできることは
「いまの自分」を受け入れて
もらうことしかないのです!
「いまの自分」を誰かに受け入れて
もらったら皆さんにも報告しますね😉
結果がどうであったとしても
前に踏み出す勇気を持つことを、
アドラー心理学では
「勇気づけ」と呼んでいます。
異性と付き合いたいのであれば、
あれこれ言い訳を考えるのではなく、
さっさと好きと伝えろということです。
嫌われることを恐れずに、
どんどん勇気をもって行動しましょう♪
振られたら僕にメッセージを送ってください!
僕も振られた経験何度かあるので、
全力で励ましますよ😄
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
悩みの1つや2つぐらい
誰にでもあると思います。
どんな悩みであれ、
内面の悩みというものは存在しません。
一重の目が悩みで、
お金をかけてでも
治したいと思っている
女の子がいたとします。
この気持ちは
他の人が二重の目であるのを見て、
芽生える感情なのです。
どんな悩みでも
「対人関係の悩み」なのです。
これを踏まえて次のパラグラフでは、
悩みから来る劣等感について
考えてみることにします。
劣等感
アドラーは劣等感を
自らの価値判断に関わる言葉だと
言っています。
皆さんは何か劣等感を感じて
いることはありますか?
私は2年浪人しても自分の行きたい大学に
行けなかったことに対して、
劣等感を感じています。
この劣等感もアドラーに言わせれば、
実にくだらない悩みなのです。
問題は、私がどのような意味づけをほどこすか、
どのような価値を与えるか、なのです。
大学1年生のとき、
「2年浪人してもその程度の大学か」と
嫌味を言われたことがあります。
自分の第一志望の大学に行けなかったことが
悔しくて、大学に行くのが
嫌だった時期もあります。
大学の試験はもう終わったのに、
明日大学入試がある夢をみて、
飛び起きたときもあります。
客観的な事実(2年浪人したこと)は、
変わりません。
ですが主観的な解釈は
変えることができます。
2年浪人しても自分の行きたい大学に
行けなかったことに対して、
「自分の目標に向かって
挑戦することができた。今回は偶然失敗に
終わっただけ」と前向きに考えれば良いのです😄
受験生に伝えたいことがあります。
自分が頑張ったと思えるなら、
胸をはって生きてください。
受験が上手くいかなくても、
劣等感を感じる必要はありません。
受験が上手くいかなくて辛いときは
Twitterで相談してくださいね。
応援してます✊
人生は他者との競争ではない
アドラーは「優越性の追求」について、
部活の大会。大学受験。資格の試験。
就職活動。営業成績。などで行われている
他の人を蹴落としてまで上に昇ろう
とする欲求とは違うと説明しています。
「優越性の追求」を、
誰とも競争することなく、
自分のペースで歩んでいくことだ
と説明しています。
健全な劣等感とは、
他者との比較のなかで生まれるのではなく、
「理想の自分」との比較から
生まれるものなのです。(p.92)
私たちは他者との優劣によって
優れていないかを決めがちです。
ですが、対人関係の軸に「競争」があると、
不幸から逃れることが
できなくなります。
競争の図式から解放されれば、
他者の幸せを心から祝福できるようになるし、
他者の幸せのために積極的な貢献が
できるようになります。
アドラーはいまの自分よりも
前に進もうとすることにこそ、
価値があると考えます。
青山学院大学陸上部の
原晋監督も同じことを言っていました。
皆さんは学生時代
何かしらの部活に入っていた
人が多いと思います。
私は中学時代野球部に
入っていました。
そのときに体験した
ことをお話しします。
野球部の部員数は同学年で
15人いました。
野球は9人で行うスポーツなので、
残りの6人は補欠ということになります。
野球に関わらず
何かを極めた人は
謙虚な人が多いのですが、
中には尊大な態度を取る人がいました。
レギュラーの選手の中には、
補欠の選手に対して、
見下した態度をとる人がいました。
補欠の選手の中には
気分を悪くした人がいたと思います。
皆さんの中にもこうした経験が
ある人も多いと思います。
「いまの自分よりも
前に進もうとすることにこそ、
価値がある」と考えれば、
こんな状況でも幸せになれます。
補欠の選手でも、
先週よりも自分よりも
少しでも上達すれば
自分に勝ったことになります。
「競争」の不安から解放されれば、
他の人がヒットを打った時に、
レギュラーの座が奪われると
考えることがなくなるので、
仲間の成功を一緒に喜ぶことができます。
これはスポーツだけではなく、
仕事にも言えることだと思います。
皆さんは同期で良い営業成績を出した人を
素直に応援できますか?
ドキッとした人は、
「人生は他者との競争ではない」と思い、
人が良い成果を出したら
一緒に喜んであげましょう。
まとめ
アドラーはフロイトとは違い、
言うことが厳しいです。
変われない原因は、
「自分が変わろうとしていない
からだ」と断言しています。
ですが、私はアドラーは
優しい人だと思っています。
私たちに人は変わろうと
思えばいつでも変われることを
気がつかせてくれるからです。
ブログはできるだけ毎日更新していきます!