ビジネス・経済

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 著者:アンドリュー・O・スミス  要約・感想

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第1章 お金の計画の基本 内容抜粋

お金とは、欲しいものを手に入れる手段です。
お金があれば、自分の欲しいもの・
欲しいサービスと交換することができます。
こういった機能は、
交換の手段」と呼ばれています。

お金には、後で使うために
貯める」という側面、
サービスの価値をお金で表すという
価値の尺度」としての機能もあります。

お金はたしかに大切ですが、
他のすべてを犠牲にしてまで
追い求めるのは間違っています。

お金は手段であって目的ではないのです。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第2章 お金とキャリア設計の基本 内容抜粋

転職を考えている人が、以前のスキルを
活かせない仕事に就いた場合、
年収は上がるどころか
むしろ下がることがあります。
なので、「職業と業界の両方を変える転職」は
避けなくてはなりません。

高校を卒業した頃から
考えておきたいことがふたつある。
ひとつは、複数の職業で応用できる
実用的なスキルを磨いておくこと。
たとえば、マーケティング、
ウェブサイトを作る、
基本的な簿記といったスキルだ。
こういったスキルがあれば
仕事が見つかりやすくなり、
キャリア初期の転職でも有利に働くだろう。

そしてもうひとつは、
興味のある業界の中から
関連する仕事をひとつかふたつ選び、
それに集中するということ。
たとえ目指すキャリアが
まだ決まっていなくても、
ある業界に関する知識や経験があると、
将来的に貴重なスキルを
身につけることができる。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第3章 就職、転職、起業の基本 内容抜粋

自由になる時間があり、
収入を増やしたいと思っているのなら、
副業という手段もあります。

たとえば簿記ができる人なら、
夜と週末だけクライアントのために
簿記の仕事をする。
料理が得意な人なら、
パートタイムのケータリング業や、
パーティーのためのお菓子作りもいいかもしれません。

しかし、副業を始める前に
覚えておいて欲しいことがあります。
それは、LLC(Limited Liability Company)を
設立するということです。

LLCにすれば「有限責任」になります。

有限責任は、無限責任とは違い、
ビジネスが破綻しても、
事業主や株主の個人的な資産は守られます。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第4章 貯金と銀行の基本 内容抜粋

貯金をする第一の理由は、
将来の支出に備えることです。
そして貯金をする第二の理由は、
人生の大きな目標を達成するためです。

大学、車、結婚と子育て、
起業といったあたりが大きな目標になります。

どんな人でも貯まる貯金の仕方があります。
それは、「お金が入ったら、
貯金をする分だけすぐに切り離し、
どこか別の場所に置いてすぐに使えない
ようにする方法」です。

天引きや自動積み立てなどのシステムを活用する
ことも検討してみると良いかもしれません。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第5章 予算と支出の基本 内容抜粋

予算を立てる最初のステップは、
すべての収入と支出を
把握してリスト化することです。

今から1カ月、
毎日の出費をすべて記録していきます。
1円単位まで厳密に記録します。
たとえ、1カ月だけでも、
自分の支出パターンが
だいたい見えてくるはずです。

賢い消費者になるためには、
解約の決まりをきちんと確認しておく
必要があります。

携帯電話、スポーツジムなど、
長く使うサービスの契約では、
一定期間より短い期間で解約したら、
工学の解約金が請求されるものがあります。


店頭でつける延長保証は、
店にとっては簡単に儲かる「商品」です。
そして、店にとって簡単に儲かるものは、
たいてい消費者にとっては損になります。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第6章 信用と借金の基本 内容抜粋

ローンとは、お金を持っている人が、
お金が欲しい人に対して、
ある一定の条件の下でお金を貸すことです。

お金を借りると、借りた金額の他に「利息」も
払わなければなりません。

クレジットカードの利息はとても高く、
年に12~24%も取られます。

なので、「クレジットカードはいつも
1回払いにすること」をしなければなりません。

簡単にローンを組んだり、
カードで買い物をしたり
できるために、中には返済能力を超えた
借金をしてしまう人もいます。

もし何らかの借金をしなければならないのなら、
慎重に考え、なるべく少額に抑え、返済期間を
短くし、そして現実的な返済プランを
立てることを心がけてみると良いと思います。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第7章 破産の基本 内容抜粋

破産とは、借金が免除される、
あるいは大幅に減額されるための
法的な手続きです。

破産制度を使えば、借金を大幅に減らすか、
あるいは完全に帳消しにできます。
ですが、日本では5~10年は破産の記録が
残されるので、破産してから
新しい仕事を見つける場合は、
破産が足かせになる可能性が高いです。

雇用主は、採用のプロセスで応募者の信用問題を
調べ、その結果によって採用を拒否することが
法律で認められています。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第8章 投資の基本 内容抜粋

投資とは、価値のあるものを
一定期間持っていて、
後になってそこから金銭的な利益を
得ることを言います。

着実に資産形成したいのであれば、
毎月決まった額を購入する「積立投資」が
いちばんいい方法です。

たとえば毎月100ドルずつ同じ
インデックスファンドを買って積み立てていく。
積立投資であなたがすることはそれだけです。

商品先物も通貨先物も
デリバティブ(金融派生商品)であり、
投資のプロしか手を出してはいけません。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第9章 金融詐欺の基本 内容抜粋

「ピラミットスキーム」とは、
いわゆるネズミ講のようなものです。

「絶対に儲かる投資がある」と
言って会員を集め、
会員の出資金をさらに古い会員に支払うことで、
あたかも投資の利益が上がっているかのように
見せますが、実際の投資は行っていません。

詐欺を見分ける手がかりはふたつあります。
ひとつはリターンが高すぎること、
そしてもうひとつは
運用成績が安定しすぎていることです。

投資戦略がそれなりに理にかなっていても、
そんなにうまい話は転がっていない
ということを忘れてはいけません。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第10章 保険の基本 内容抜粋

保険とは、損失のリスクを移転させる計画です。
保険会社は契約者から保険金を貰い、
契約者に何か損失があったときに、
その保険金の中から
補償をうけることができます。

保険会社は、「外交員」と
呼ばれる人たちを使って、
自社の保険商品を顧客に直接販売します。
外交員は保険商品を売れば儲かるので、
顧客を第一に考えているとは言い難いです。

また、さまざまな会社の保険を扱う
「ブローカー」と呼ばれる人がいます。
ブローカーは特定の保険会社と
つながりがあるわけではないので、
中立の立場で、それぞれの顧客に
いちばん合った保険を紹介して
くれることになっています。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第11章 税金の基本 内容抜粋

税金とは、国や地方自治体から
強制的に徴収されるお金です。

税金が発生する主なきっかけは3つあります。
それは「資産」「所得」「取引」です。

資産とは「何か価値のあるもの」であり、
それを所有していると
税金を払う義務が生じます。
自動車を所有する人は自動車税を払い、
不動産を所有する人は固定資産税を払います。

所得とは自分で稼いだお金のことです。
お金を稼ぐ人は、自動的に納税の義務を
負うことになります。

取引とは、たとえばお店での
買い物などを指します。
買い物のときに払う消費税も、
取引にかかる税金です。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第12章 社会福祉の基本 内容抜粋

多くの州政府と連邦政府には、
低所得層を援助するプログラムがあります。
連邦政府は、ある一定の収入に満たない家計を
「貧困」と定義し、政府による援助プログラムの
多くがその定義を使用しています。

貧困ラインは州ごとに違いがあります。
たとえば、ハワイ州は、世帯人数にかかわらず、
貧困ラインの収入が他の州より15%高く設定されています。

貧困ラインの基準に該当する人は、
メディケイド(貧困者用の医療保険)、
CHIF(貧困世帯用の児童医療プログラム)、
民間の保険会社に支払う
医療保険料の援助などを、
受給することができます。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第13章 法律と契約の基本 内容抜粋

契約を一言で説明するなら、
二者かそれ以上の当事者による合意
となります。

裁判所は基本的に、いくら不公平で
一方的な規約でも、規約の内容を尊重する
判決を下します。
たとえば携帯電話の契約、銀行口座の契約、
ほぼすべてのリース契約が該当します。

多くの消費者契約は、意見の相違があった場合、
裁判ではなく調停で
解決することが求められます。
そして、たいていの調停は、消費者よりも
企業の利益を優先します。
企業に多額の損害賠償が命じられることは
ほとんどの場合ありません。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 第14章 老後資産の基本 内容抜粋

老後に必要な金額については、
ひとつの決まった答えは存在しません。

ファイナンシャルプランナーなどに聞くと、
平均寿命より長く生きると想定し、
その間ずっと現役時代の収入の60~70%ほどの
お金を使うと考えて計算する
という答えが返ってきます。

老後の資金作りは、早く始めるほど
大きな複利効果が期待できます。
人によっては今すぐ貯金を始めた方が良い人も
いるかもしれません。

『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』 感想

アメリカの話をベースに書かれているので、
税金計算がアメリカの制度でされていたり、
フードスタンプといった馴染みのない制度が
紹介されていたりと、
日本の現状にそぐわないところも
いくつか見受けられました。

そういう箇所は、
「アメリカにはこういった制度があるんだな~」
ぐらいに考えてもらえれば
良いのかなと思います。

400頁と内容にボリュームがあるので、
まずは自分の気になった
箇所だけを読んでみるのも良いと思いました。

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