文学・評論

コーヒーが冷めないうちに 川口俊和

過去か未来の
どちらかに行けるなら、
私は過去に戻りたいです。
小学生から人生を
やり直したいです。

そんなことはできないので、
今日の行動が未来になると信じて
頑張りたいと思います。

『コーヒーが冷めないうちに』 あらすじ

とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座ると、
望んだとおりの時間に戻れるという。

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった。

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、どんな努力をしても、
現実は変わらない

3.過去に戻れる席には先客がいる
その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、
席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、
コーヒーをカップに注いでから、
そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。

『コーヒーが冷めないうちに』第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話 要約

過去に戻りたいと思っている客の名前は、
清川二美子。
過去に戻り、「恋人の賀田多五郎との別れ話」を
やり直したいと考えている。

二美子のプライドが邪魔をして、
五郎がアメリカに行くことを止められず、
後悔をしている。

過去に戻った二美子は、
思いがけない五郎の本音を聞くことになる。

右眉から耳にかけて大きな傷跡が
あることを、五郎は気にしており、
自分の容姿が二美子のような美しい女性に
相応しくないと思っていたのである。

二美子は現実に戻る途中で、
五郎がアメリカに行くが、
3年待ってほしいと口にしたのを聞く。

現実に戻った二美子は、
嬉しそうに会計を済ませ、颯爽と店を出ていった。

『コーヒーが冷めないうちに』第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話 要約

過去に戻りたいと思っている客の名前は、房木。
過去に戻って、
奥さんに手紙を渡したいと思っている。
彼は記憶障害を起こしている。
「フニクリフニクラ」で看護師である奥さんと
会ったが、他人だと思っている。

奥さんの高竹が、房木の書いた手紙を見るために、
過去に戻る。そこでは、記憶障害を起こしていない
房木がいた。房木は、
高竹が未来から来たことを見破る。

房木は、高竹に、自分の病気が進行して
「やっぱ、忘れちまうのか? 俺は、お前のこと……」と尋ねる。
高竹は病気がよくなると嘘をつく。
夫を不安にさせないための、
せめてもの優しさだった。

現実に戻り高竹は、
房木の書いた手紙を見る。

そこには、記憶を失っても、
夫婦でありたいと願っている
房木の思いが、綴られていた。

『コーヒーが冷めないうちに』第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話 要約

過去に戻りたいと思っている客の名前は、
平井八絵子。
18の時に実家を出る。
実家が仙台の老舗旅館である。

妹である久美子が、
歳をとった両親に代わり旅館を切り盛りしている。

そんな妹が交通事故で死んだ。
八絵子は妹に自分がしなければならなかった旅館の
経営を押し付けたことに、引け目を感じていた。

過去に戻った八絵子は、
妹が八絵子と2人で旅館を切り盛りするのが、
夢だったと知る。
妹は死んでいることはわかっているが、
妹と実家に戻ることを約束する。

現実に戻り、
八絵子は久しぶりの実家に帰ることを
決心していた。

『コーヒーが冷めないうちに』第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

過去に戻りたいと思っている客の名前は、時田計。
時田計は生まれつき心臓が弱かった。
病院で、計は流と恋に落ちる。
計は今、流との子供を身籠っている。

主治医は、計の体調のことを鑑みて、
中絶を勧めた。しかし、計は聞き入れなかった。

自分の命と引き換えに子供を産むことに
なるとわかっていた計は、
未来に行き自分の子供を見たいと思った。

15年後の未来……
そこには、自分の娘・ミキがいた。
計が聞きたかったこと。
(私は、あなたを産んであげることしか
できなかったけど、許してくれる?)
一番聞きたいことはなかなか
喉から出てこない。

ミキは震える声で話し出す。
「私は生まれてきて、本当によかったと
思ってる」「お母さん」「私を産んでくれて……
ありがとう」そういうと、ミキは計に
ピースサインをしてみせた。

この瞬間、計はこの子の母親であることを
心から幸せに思った。

『コーヒーが冷めないうちに』 まとめ

登場人物が多く、話が纏まっておらず、
話もありきたりなものが多い印象でした。

4回泣けるとのことでしたが、
第4話「親子」でうるっとはなったものの、
泣くまでには至りませんでした。

映画は、良い評価が多いそうなので、
映画に期待することにします。

したっけね~☆彡