ビジネス・経済

人を動かす① デール・カーネギー

デール・カーネギー

◎1888年に、アメリカミズーリ州の
貧しい農村として生まれる。

◎鉄鋼王アンドリュー・カーネギーとは別人。

◎大学卒業後、記者、俳優、商売人など
様々な業種を転々とする。
職を転々とするうちに、
話し方講座の先生という天職に出会う。

◎代表作は『人を動かす』と『道は開ける』。

盗人にも5分の理を認める

アル・カポネ(1935年)

人を非難するのはどんな馬鹿者にもできる。
そして馬鹿者にかぎってそれをしたがるものだ

アメリカのギャングのスターとして
知られるアル・カポネは言いました。
「おれは働き盛りの大半を、
世のため人のためにつくしてきた。
ところが、どうだ―おれの得たものは、
冷たい世間の非難と、お尋ねものの
烙印だけだ。」

シカゴで大勢の人を殺した人でさえ、
自分がしたことはだと思っている。
それならば悪人でない私たちは、
自分のことをどう思っているのだろうか?

あなたが、上司であるとして
部下に「いつまで仕事が終わらないんだ」
「もっと効率的にやれ」「こんな間違えはするな」
などの否定的な言葉をかけていたら
1度考え直す必要があるでしょう。

部下は相手が涼しい顔をしていても、
内心ではこう思っているかもしれません。

「仕事が終わらないのは
お前の指示が悪いからだ」
「仕事量が多すぎて時間内に終わらないのは、
お前がたくさん仕事を押し付けるからだ」
「ミスの1つぐらい誰しもするだろう。
いちいち注意しやがって」

相手を批判してはいけません。
批判されると自分が攻撃されたと感じ、
自分を守るために自分の行動を正当化
しようとするからです。

まずは相手の立場を理解しましょう。
仕事が終わらないことで部下に小言を
言いたくなったときは、
まず相手がなぜ期限内に仕事が
終わらなかったのかを聞き、
理由が曖昧なものでも
まずは共感してあげましょう。

期限内にできないことを
叱るのではなく、
期限内にできたら褒めましょう。


心理学者ハンス・セリエは
こう言いました。
「われわれは他人からの賞賛を強く望んでいる。
そして、それと同じ強さで
他人からの非難を恐れる。」

重要感を持たせる

自分が他者とは違う特別な存在でありたいと
願う人は多く存在します。
リンカーンの手紙に
「人間は誰しもお世辞を好む」
と書いたものがあります。
しかし、お世辞ではいけません。
心から相手を賞賛したものでなければ
相手の心に響かないからです。

私の知り合いに講演を仕事にしている
人がいます。その人が言うには反応が
返ってこないと話をしていて
面白くないそうです。

私は定食屋に行き美味しかったら、
「美味しかったです」と作ってもらった人に
言ってから席を立つようにしています。

そういう当たり前のことを
家族、友人、同僚にすることで
今より良い人間関係が築けるのでは
ないでしょうか。

人の立場に身を置く

まず相手の心のなかに強い欲求を
起こさせること。これをやれる人は、
万人の指示を得ることに成功し、
やれない人は、ひとりの支持者を
得ることにも失敗する。

オーヴァストリート教授のことば

離婚寸前の夫婦の状況を
例に挙げて説明します。

夫39歳、妻37歳。結婚11年目。

夫の立場から考える

小学校6年生の息子がいる。
妻は私立の中学校に受験させたいと
考えているようだ。
私は小さいうちから
部屋に缶詰状態で勉強を
させるのは気が進まない。
子供のうちは外で遊んだり、
自分のしたい趣味に没頭するのが良い
過ごし方だと思う。

1週間後の金曜日の夕方に教師と面談が
あるらしい。子供の進路のことも気になるから
面談に私も行こう。

1週間後の金曜日…
夫:「取引先とトラブルが急用でできて、
その対応で面談に行けない」
妻:「子供の大切な進路のことなのに、
これないとはどういうこと。
今すぐ仕事を終わらして来て!」
夫:「俺は家族のためを思って、
仕事をしているんだ。

忙しいから切るぞ!ガチャ。」

家に帰ってから…
妻:「私たち価値観が合わないようだから、
別れましょう。(離婚届け)」
夫:「俺は家族のために仕事をしているし、
こないだも食事の準備をしたり、
家事を手伝ったりした。
なのに、離婚なんておかしい考え直してくれ。」

妻の立場から考える

ひろと(息子)はもうすぐ6年生だから
私立の受験を考えたいわ。
でも、金銭的な問題もあるから夫と
相談しないと。
私立の中学校に入れば、
大学までエスカレーター式でいけるので
子供のためになるわよね。
それに周りの友達も優秀な人が多いって聞くし。

夫は仕事から帰ってきてくれて
料理を作ってくれるのは嬉しいんだけど、
後片付けをしてくれないのよね。
たくさん出た洗い物は私がやるから
いつもよりも疲れるわ。

1週間後の金曜日の夕方の面談に
仕事があっても優先して来てくれるって
いうから家族のことは
大切に思ってくれてるわよね。

1週間後の金曜日…
夫:「取引先とトラブルが急用でできて、
その対応で面談に行けない」
妻:「子供の大切な進路のことなのに、
これないとはどういうこと。

今すぐ仕事を終わらして来て!」
夫:「俺は家族のためを思って、
仕事をしているんだ。
忙しいから切るぞ!ガチャ。」

家に帰ってから…
妻:「私たち価値観が合わないようだから、
別れましょう。(離婚届け)」
夫:「俺は家族のために仕事をしているし、
こないだも食事の準備をしたり、
家事を手伝ったりした。
なのに、離婚なんておかしい考え直してくれ。」

どうでしょうか?
夫も妻いずれの主張も
自分のなかでは筋が通っていると思っています。

今回はお互いが相手の立場になって
考えていないので
離婚の危機という
事態になってしまいました。

この会話の中で改善するポイントは
複数存在します。
そのポイントを皆さんに
考えて欲しいです。
1つ改善するポイントを挙げるならば、
夫は料理をするのではなく、
洗い物を手伝えば妻から感謝され
円満な関係を築けたかもしれません。

どうすれば離婚届けを出されずに
済んだのでしょうか?
それは、相手が欲していることを
考えれば良かったのです。
自分がして欲しいことでも、
相手からしたら迷惑なことかもしれません。
相手の立場に身を置くということを
徹底してやってみてはどうでしょうか?

まとめ

最後の夫婦の例ですが、
実際にあったとされる離婚事由です。
皆さんも相手と円満な関係を築きたいなら、
相手の立場に立って考えることを
徹底しましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。☆彡