サイエンス・テクノロジー

結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方① 茂木健一郎

「実行に移す前に、まずは慎重に検討しなければ」
「これが重要なことは理解できるが、常識で考えた場合…」
こうした集団の”決まり”が脳の抑制となり
私たちの行動にブレーキをかけてしまうのです。
大胆な決断力と実行力は、いったいどうすれば手に入るのか。
その手がかりが「すぐやる脳」にあるのです!

我慢をしてはダメ

やろうと思っているけれども、
なかなか行動に移せない脳になっている人は、
学校教育、会社が原因かもしれません。

学校ではペーパーテストで、
良い点数を稼ぐことが最優先されてきました。
いい点を稼ぐために、
模範解答の書き方を覚えさせられました。
模範解答から外れたものは不正解となるのです。
私も学生時代は、
模範解答という名のルールに
従うように生きてきました。

会社では、
メールの出し方や名刺の渡し方に至るまで
様々なビジネスルールがあります。
ルールに逸脱するものは、
無礼者という烙印を押され社会から追放されます。

会社では、リスク対策をしっかり取るために
上司と相談しなければならず、
即決できないこともあるでしょう。
誰かの指示を待つことが習慣化してしまうと、
自分の決断や行動を即決できない人になります。

子どもというのは、
何に対しても好奇心旺盛でやる気を持っています。
なぜなら、それは、脳の中にたくさんの空白があるからです。(p.29)

すぐやる脳にするには

私は常に本を持ち歩いています。
常に本を読める状態にしています。

勉強、仕事でも同じことです。
常にできる状態にしておき、
やりたいなと思った瞬間にやることが重要です。
「特別に意識せず、その行為を習慣化する」ということです。
そうすることで、脳の背外側前頭前皮質(dorsolateral prefrontal cortex)
という回路を鍛えることができます。

雑談する時間も大切です。
雑談をせず、すぐに本題に入ることが
良いことだという人(堀江貴文さん)もいますが、
雑談をすることで創造力は大きく飛躍します。
特定の目的を持たない脱線こそが、
重要な意味を持ちます。

僕も人と話すときはいきなり本題に入らず、
雑談を挟んでから本題に入るようにしています。
雑談中に新しいアイデアが出ることもあるので、
皆さんも積極的に雑談を会話の中に取り入れて
みてはいかがでしょうか?

脳にプレッシャーをかける

一日一回、人生で一番のプレッシャーをかけてみる。
これはとてもハードな試みです。
でもそれこそが、あなたの脳を動きが軽やかで創造性に溢れた
「すぐやる脳」に変える最大の秘訣でもあります。(p.42)

僕は一日菅総理になったことを想像してみました。

病床数が足りないと言われている問題ですが、
私ならベットの数は足りていると答えます。
問題はベットの数ではなく、
医師や看護師の数が不足していることにあるのです。
医師や看護師の数を増やすことは現状難しいので、
病院がコロナ感染者を受け入れることができる体制が
整っていないので、その体制作りをまず初めにします。

病院は民間が経営している場所が多いです。
コロナ感染者を受け入れる体制を作るには、
多くの人手やしっかりとした設備が要ります。
それなのに、コロナ感染者を受け入れた病院に
インセンティブが十分になかったら、
ボランティア精神溢れる
一部の病院を除き受け入れません。

なので、コロナ感染者を受け入れてくれた病院に
個人に支給される給付金とは別に、
コロナ患者1人につき10万円を支給します。

またコロナを指定感染症から外します。
そうすることで患者に対応できる人材が増え、
人員を今よりも確保することができます。

皆さんも一日総理大臣になったつもりで、
自分ならどうするかを考えてみたらどうでしょうか?
皆の前で英語でスピーチをしたり、
会議で積極的に意見を言うことも脳のトレーニングになります。
脳にプレッシャーをかけ、
「すぐやる脳」に変えていきましょう!

一説によれば、現代に存在する仕事の四七%が、
十~二十年後には人工知能に代行される
といった予測もされているのです。(p.49)

あなたのしている仕事は今後機械にとって代わられる?

将来47%の仕事が人工知能に代行されると
言われていますが、
人工知能に代行される仕事と
代行されない仕事の違いは何でしょうか?

ざっくりと言うなら、
「ワクワクする仕事」かどうかです。
資料整理、機械類操作、文字入力といった
「ワクワクしない仕事」は
今後機械にとって代わられます。

皆さんが今している仕事は
将来機械にとって代わられないかを
考えてみて下さい。
代わられないと思った人も、
代わられると思った人もいると思います。

将来自分がしていた仕事がなくなり
失業をするリスクを考え不安になった人は、
多少のリスクがあってもチャンスがあるなら
挑戦していかなければなりません。

今後どういう考え方を持てば、
成功できるのかについて
筆者の考え方も交え解説します。

成功するにはセレンディビティーが大切

私の好きな言葉があります。
「失敗ではない。
うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」
この言葉は発明王エジソンが遺した言葉です。

私はこの言葉を、
「たくさん失敗をしたから
成功できた。だから失敗を失敗と捉えず、
成功のための軌跡と考えよう」と解釈しています。

唐突ですが、
皆さんは自分が運の良い人だと思いますか?
私は運の良い人だと思っています。
「セレンディビティー」という言葉を
聞いたことがあるでしょうか。
意味は、
「偶然の巡り合いを引き寄せる力」のことです。

セレンディビティーの3つの条件

できるかどうかわからないけれど、
まず、やってみようと決心する。
今、その方向に道はないけれど、自分でつくってみる。
そうしたリスクを取れる「すぐやる脳」を持った人が、
これからの世の中をたくましく生き抜いていけるのでは
ないかと思います。(p.49)

1つ目の条件は「行動」することです。
エジソンは1万通りの失敗の中から、
白熱電球を生み出しました。
成功をしたいのならエジソンを見習い、
私たちも失敗を恐れずに
挑戦しなければなりません。

私は運の良い人だと思っていると前の章で述べました。
私の運が良い理由は、
試行回数が多いからだと思います。
私は色んな人に会い、
色んなことを楽しみ、
色んな本を読んでいます。

良い人に出会えるのも、
良い趣味に出会えるのも、
良い本に出合えるのも、
そこにたくさんの試行回数があるから
だと思っています。

2つ目の条件は「気づき」です。
小さな変化を見逃さず、
視野を広げて「周囲」に目を配ることが大切です。
電車のつり革、新聞、取引先との雑談に至るまで、
世の中は面白い情報に溢れています。
その情報に気が付ける人は、
「気づこうと努力をしている人」なのです。

茂木健一郎さんがテレビで使用して有名になった
「アハ体験」を
これから皆さんにもやってもらいたいです。
まず1枚目の絵を10秒間見つめてください。
それから3枚目の絵をみてください。
皆さんは3枚目の絵がどんな顔に見えましたか?

次に2枚目の絵を10秒間見つめてください。
それから3枚目の絵をみてください。
皆さんは3枚目の絵がどんな顔に見えましたか?

1枚目の絵
2枚目の絵
3枚目の絵

今やってもらった「アハ体験」は、
ハーバードビジネススクールの
授業で行われた認知実験です。

1枚目の絵を見つめてから、
3枚目の絵を見た生徒は、
3枚目の絵は若い女性に見えると答えた
人が多かったそうです。(1つ目のグループの学生)

2枚目の絵を見つめてから、
3枚目の絵を見た生徒は、
3枚目の絵は老婆に見えると答えた
人が多かったそうです。(2つ目のグループの学生)

1つ目のグループの学生と2つ目のグループの学生に
3枚目の絵は何に見えるかを話し合わせました。
20代の女性、70代の女性
に見えると議論になりました。
実は3枚目の絵は1枚目と2枚目の絵を
合成したものなので、
若い女性にも、老婆にも見方次第で見えるのです。

初めに見た絵によって、
絵の見え方が変わる体験は面白いと思います。
常識に捉われている人は、
1つのものの見方しかできません。

常識に捉われず、
Aだと思っていたけれど、Bかもしれないと
疑ってみることも大切です。
小さなことに「気がつける」ように常にアンテナを
張り巡らせて生活するといいですよ♪

3つ目の条件は「受容」です。
言い換えるとむちゃぶりに応えられる器量が
あるかということです。

私の大学のサークル勧誘のときの話をします。
後輩をサークルに勧誘するために、
上級生が大学内でチラシを配り勧誘する
イベントが年に2回あります。

私の大学はお笑いのサークルがあります。
私はお笑いサークルなのだから
何か面白いことをやってもらえると期待して、
お笑いサークルの人に
「面白いことをやってほしい」とお願いをしました。

するとぶっきらぼうに「無茶ぶり?」と言われ、
「はい」と私が答えると、
「いきなり面白いことが出来る訳ないだろ!」と
キレられました。
私はまさか怒鳴られるとは
思ってもいなかったので、
呆気に取られました😔
それからお笑いサークルの印象は悪いものへと変わりました。

私が逆の立場なら
「どんな無茶ぶりでもチャンスと
捉え面白いことをします。」
チャンスが自分の望む形で
現れることはないのです。
もしあのときに、
真摯に対応してもらい、
私が面白いと思っていたら、
お笑いサークルのライブに
お金を出してでも行っていました。
なお、お笑いサークルのライブが500円で
開催されていたことは知っていましたが、
私は1度も行っていません。

受容」は言い換えると、
ピンチをチャンスに変える能力です。

まとめ

「ぐずぐず考える脳」から「すぐやる脳」に変えることは
容易ではありません。
皆さんも一日総理大臣になったつもりで日々を過ごしたり、
人前で英語でスピーチをする機会を増やし、
「すぐやる脳」に変えていきましょう♪

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