文学・評論

【映画】君の膵臓を食べたい 住野よる 要約・感想

私は高校生のときに
青春が出来なかったので、
恋愛映画を観て
こういう映画のような高校生活を
送りたかったなあ~と
感傷的になることがあります。
ですが、
映画と現実は違いますよね

具体的に違う点を3つ
挙げるとすると、
「屋上がある」
「生徒会が絶大な権力を持っている」
「転校生が可愛い(イケメン)」
だと思います。

【1分でわかる】君の膵臓を食べたい 住野よる あらすじ 目立たないクラスメイト・志賀春樹(僕)は、病院で、クラスの人気もの・山内桜良の「共闘日記」と命名される...

君の膵臓を食べたい 予告

君の膵臓を食べたい キャスト

過去
山内桜良(やまうちさくら)……渡辺美波
僕(ぼく)……北村匠海
滝本恭子(たきもときょうこ)……大友花恋
ガム君(がむくん)……矢本悠馬
降弘(たかひろ)……桜田通

現在
志賀春樹(しがはるき)……小栗旬
栗山(くりやま)……森下大地
滝本恭子(たきもときょうこ)……北川景子
宮田一晴(みやたいっせい)……上地雄輔

君の膵臓を食べたい あらすじ

山内桜良が死んでから12年が経ち、
志賀春樹は高校教師になっていた。

久しぶりに母校に赴任することになった春樹だが、
胸の内では、教師を辞めようか迷っていた。
図書室が取り壊しになるため、
春樹は図書室の本の蔵書整理を一方的に任される。

図書室に入ると、高校生のとき、
山内桜良と過ごしていた日々を思い出す。

図書室でニコちゃんマークの書かれた
ブックカードを見つける。
そこに書かれていた字は、
まぎれもなく桜良の字だった。

12年越しの桜良からの手紙を受け取り、
春樹の気持ちは揺さぶられる。

君の膵臓を食べたい 見どころ

渡辺美波が演じる山内桜良の
「演技力」に注目です。
桜良は余命宣告をされたのに、
明るく楽しく振る舞っています。
この明るさに「違和感」があります。

映画の終盤あたりでは、
明るく振る舞っていたものの、
毎日死への恐怖に脅えていたことが、
過去の回想シーンと「共病文庫」と名付けられる
彼女の遺書で明らかにされます。

このシーンがあって初めて、
あのときの笑顔は作られたものであったと
わかります。この作られた明るさを、
演技で作り出せた渡辺美波は名女優だと思います。

君の膵臓を食べたい 山内桜良の死ぬまでにやりたいことリスト

桜良は残り少ない人生を楽しく過ごすために、
死ぬまでにやりたいことリストを作成します。
以下にリストの内容を紹介します。

1.男の子とお泊りデートをしたい

「僕」と出掛けた福岡旅行で実現されました。
Billonという名前の高級ホテルに宿泊しました。

ホテル側の手違いか、桜良の故意によるものかは
わかりませんが、2人は相部屋になります。
「真実」と「挑戦」の罰ゲームで、
僕は桜良をベットまで
お姫様抱っこで運ぶことになり、
そのままの流れで、
僕と桜良は一緒のベットで寝ることになります。

2.美味しいラーメンを食べたい

福岡旅行で2人で美味しそうに「花山」という店で、
ラーメンを食べています。
おそらく、食べていたのは
博多ラーメンだと思います。

3.美味しいホルモンを食べたい

福岡旅行でラーメンを食べたときに、
ホルモンの焼き鳥を食べています。
小説では、食べ放題の焼肉屋に僕と一緒に行き、
お腹いっぱいになるまでホルモンを食べています。

4.お酒を飲みたい

福岡旅行で泊まったホテルで
梅酒を飲んでいるシーンがありました。

5.貯金を使い切りたい

桜良の貯金額がいくらあったのかが不明なので、
貯金を使い切れたかはわかりません。
北海道旅行を計画している間に
桜良が死んでしまったので、
貯金を全額使い切ることは、
出来なかったと思います。

6.恋人じゃない男の子といけないことをしたい

実現できません。
桜良は両親がいないときに、僕を自宅に呼びます。

桜良が僕に抱き着くと、
気まずい雰囲気になったので
「冗談だよ!」というと
僕は揶揄からかれたと思いました。
腹が立ち、桜良を押し倒します。

桜良が泣いたことで、僕も我に帰ります。
気まずくなった雰囲気の部屋の中に
居たたまれなくなった僕は、
部屋から飛び出します。

【おまけ】君の膵臓を食べたい メール内容

4/17 21:13
今日は付き合ってくれて
ありがとね!✌

凄い楽しかったよ😄
共病文庫にも書いた!

5/2 16:38
したいこと見つけた。
この連休に遠出したい!

どこか行きたいところ
ある?

5/9 16:42
やっほー。

恭子がボディーガードみた
いに付いてくるから、
ちょっとの間、係は休むね。

そのかわり、今日は君がうちに来ることに
なってるから、よろしくね。

お父さんがいろんな…

6/10 16:49
明日、退院できるって✌

6/10 16:49
Re:
じゃあ明日、桜見に行こう!

6/11 13:42
退院しました!(^O^)/

家帰っておめかししたから
時間かかっちゃった。

今図書館に寄って、入院中に借りてた本返してるから、
ちょっとだけ遅れちゃうかも。(>_<)

6/11 13:49
Re:

人を愛せる人間に、
人に愛される人間に。

誰かともっともっと心を通わせ、
生きてるって感じられるように。

僕は君になれるだろうか。いや。
こんな言葉じゃ百並べても言い足りない。
僕は、本当…

君の膵臓をたべたい

君の膵臓を食べたい まとめ

小説の内容の方が面白かったです。

小説では、
「共病文庫」と名付けられる桜良の遺書を
中心にして、物語が構成されていました。

映画では、僕の桜良と過ごした
高校生活の「過去」と、
高校教師としての「未来」で構成されていました。

小説では、桜良の周囲に対して抱いていた
気持ちの答え合わせが、
最後に「共病文庫」を見ることでできました。
ここで、桜良の僕に対する恋心や、
桜良が家族、友人、僕を悲しませないようにする
ために、無理をして明るく振る舞っていたことが
わかります。私はこのシーンに涙しました。
  
小説では、桜良と接したことで、
周囲の人との関わり合い方を知り、
「君」という抽象的な名ではなく、
ガムをくれるクラスの子を
「宮田一晴」という名で呼ぶようになります。

そして「僕」は、名前を持った、
志賀春樹として生まれ変わります。
志賀春樹になってから、
桜良の友達・滝本恭子と冗談を言えるまでに成長します。

けれども、映画では、
春樹の内気な性格が治っていません。
これでは、桜良と過ごした日々がないがしろに
されている気がしてなりません。
この点から、残念な映画でした。

したっけね~