文学・評論

【映画】『花束みたいな恋をした』監督:土井裕泰

『花束みたいな恋をした』を観て、
映画の半券を本の栞にしました!
映画に影響されすぎですね。

『花束みたいな恋をした』 あらすじ

東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから、
山音麦(やまねむぎ)と八谷絹(はちやきぬ)は、
運命の出会いを果たす。
2人は、好きな映画・小説・音楽の
趣味が、驚くほどに似ていて、
あっという間にお互いのことが
好きになり、付き合いだす。

大学卒業後、
二人はフリーターになり、同棲し始める。
結婚を意識した麦は、フリーターを辞め、
新しくできた物流関係の会社に就職する。
この時期から、
2人の気持ちがすれ違うことが多くなる。

2人の2015年から2020年までの
恋の様子を描く。

『花束みたいな恋をした』 見どころ

良い意味で、ストーリーが平凡だというところです。
主人公が交通事故に遭ったとか、
何十年越しのプロポーズに成功したとか、
そんな大それた話ではなくて、
本作品は、終電を逃した男女が一緒に飲みに行き、
お互いの趣味が合うことで、好きになり、
付き合うというありふれた話です。

付き合ってから、
熱々の関係が続くのではなくて、
喧嘩をしたり、気持ちがすれ違ったりします。
そこに、人を愛することのリアルさを感じました。

ネタバレになりますが、
『花束みたいな恋をした』と過去形に
なっている通り、2人は別れます。

2人はなぜ別れることになったのかについて、
私の思いを書きます。

『花束みたいな恋をした』 私が考える2人が別れることになった原因

2人が別れた本質的な問題としては、
「お金」だと思っています。

八谷絹の両親は大手広告代理店に勤めています。
大手広告代理店ということなので、
電通か博報堂辺りに、勤めているのだと思います。
絹が女子大に通っていたということと、
西麻布のパーティーに出席できたことを考えると、
絹はお嬢様だったのかな~と推測しています。

一方で、山音麦の父親は、
新潟で花火職人をしています。
田舎で花火職人になるのが嫌で、
東京に来たのかな~
と想像ですが、思っています。
麦は一人暮らしなので、
バイトをして自分の生活をする必要がありました。

麦がフリーターから、
正社員になろうとした切っ掛けは、
麦の父親が、
麦が新潟に帰ってこないことに腹を立て、
麦にあげるはずの仕送り(5万円)を寄付した
ことにあります。

仕送りがなくなり、
二人で住むための家賃や生活費を稼ぐためには、
正社員になる以外の選択肢が、
なかったのだと思います。

最後のシーンで、絹が
「私出ていく。
私の給料じゃあの家の家賃払えないし。」
と言っていたことから、
2人で住んでいた家の家賃は、
麦が払っていたのだと思います。

麦は古いタイプの男だと思うので、
絹との食費、デート代などは払ってあげていたと
思います。2人が喧嘩したとき、
「俺が稼ぐから、
好きなことすればいいよ」と言っています。
「お金は男が稼いで、女を養うのが当然だ」という
昭和の考え方が見て取れます。

絹は、両親がある程度お金を持っており、
大学生のとき実家暮らしで、
家賃も払ってもらっているので、
生活のために働くということを
理解できていなかったのだと思います。

『花束みたいな恋をした』 絹について

「隠し事をする人」だと思いました。
ラーメンブログを書いていること、女子大の友達、
姉がいることなど、
麦に伝えてないことが沢山あります。

二人で暮らすようになってからも、
イベント会社に転職するときに、
麦に相談しないで1人で決めたことを、
怒られていました。

恐らくですが、
麦と付き合っていたときに、
絹は浮気をしていたと思います。

絹は、
「歯医者の事務スタッフの仕事をしていたとき、
イベント会社の社長・加持航平と知り合った」
と言っていましたが、どこで知り合ったの?
と思いました。絹は麦の知らないところで、
学生時代に行っていたような、
華やかなパーティーに参加して、
そこで知り合ったのではないかと思います。

加持が絹に、「ラーメンを食べに行こう」と
仕事が終わった後の打ち上げで、
絹を誘っていました。恐らく、加持は
絹がラーメンのブログを書いていることを
知っていて、誘ったのではないかと思います。

麦にも伝えていない、
ラーメンブログをしている話を
知っている加持は、
麦と親密な関係にあると考えます。

浮気をしているのが、
確信に変わったシーンがあります。
絹が、麦に「今だから言うけど、
付き合ってから、浮気したことあるでしょ?」
と聞きます。
麦は「ない」と否定します。
絹は「ふ~ん」と言っただけで、
自分が浮気していないことを否定しませんでした。

『花束みたいな恋をした』 まとめ

小説、音楽、サブカルチャーの趣味が合い、
運命の出会いだと信じていた2人ですが、
大きく違うところも結構多かったと感じました。

家庭環境が全く異なる2人なので、
結婚しても上手くいかなかったと思います。

麦の、初めてできた彼女が絹だったので、
結婚するのは、この人しかいないと思って
いただけだと思います。

他の女性と付き合ったことがないと、
今目の前にいる女性が、
運命の人に思えてしまう気持ちはわかります。

今度、『花束みたいな恋をした』の
ロケ地に行こうと思っています。

したっけね~☆彡